ワタシの以前飼ってたハムスターのお話です。
すこし生々しい話になりますので、病気や死や解剖というキーワードが苦手な方は避けてください。
それと長文です(^-^;)。
ワタシは代々ジャンガリアンを飼っています。現在はちょっとした理由で飼ってません。
最初の子は里親さんのもとから姉妹でうちにやってきた、ジャンガリアンのノーマルでした。
その2匹はオスメスの区別がよくわからないうちに身体の大きい子が「ぶぶ」。ちいさいくて「ぶぶ」に踏み付けられ、ひっくり返ってぴぃぴぃ鳴いていた子は「ぴーすけ」と名付けました。
今思えば沢山まちがった飼育をしてきてしまった最初の子たち。
喧嘩をするとも思わずにいつまでも同じケージに入れていた為に、小さな「ぴーすけ」は虐められっ子になり、力の強い「ぶぶ」にほとんどエサを分けてもらえなくて、やがてケージを分けたころには「ぴーすけ」は小さくて弱々しいままの子として成長しました。成長期に十分なだけの栄養をとれなかったのではないか、と今は思っています。
その後2匹は無知な飼い主に好きなだけヒマワリの種や種子類をたべさせてもらって、まるまる太ってしまいました。ミックスフードをザラザラと与えられていたのです。それがその後の病気の誘因だったのかもしれません。
一歳すぎころから、ぴーすけには子宮系の病気が襲いました。時として薄く、時としてはっきりと下血し続け、太っていた身体が見る見る骨と皮のようになり、太っていたリバウンドで皮がたるんでいました。後ろ足が不自由になり、つねにヨチヨチと歩くようになりました。ワタシはその頃から自分がなにかとんでもない間違いをしてきたことにやっと気が付いて、ぴーすけをとても大事に大事に扱ってきました。それから飼育の猛勉強をし始めました。
つねに心配をしていましたが、ぴーすけはその生命力で低空飛行ながら生き続けてくれました。
でも2歳を迎える直前、ぴーすけは最後にヒマワリの種をひとつ剥いて頬袋にしまったまま、お空へ帰っていきました。
直前まで低空のまま元気でした。
その頃通っていた動物病院の先生が以前から「ジャンガリアンハムスターの急死ってとても多い。死後に解剖してみると少し原因がわかってくるかもしれないけど。」と言っていたのを思い出しました。
ワタシはぴーすけの死後、すぐに病院に電話してお願いしました。
初めての病理解剖。
先生は「外でお待ちになりますか?」といったけれど「立ち会わせて下さい」と言ってました。
自分がお願いするのだから、自分が見届けるべき。そうでないとぴーすけに申し訳がたちません。
最初にハサミが入る瞬間は思わず目を閉じそうになりましたが、あとは自分でも驚く程冷静にその様子を見ていました。
本当に自分でもなぜこんなに冷静なのか、おどろきました。
検査に出す臓器は採取して、見た目に異常のあるものについての推測をお話してくださいました。ワタシは冷たくなった指で必死にメモをとりました。ぴーすけからの最後のメッセージを一つ残らず書き留めるため。
頭だけは切らないようにおねがいしました。本当は原因を知るためには必要なのですが。
すべての解剖が終ってお腹をきれいに閉じて消毒してくれました。
濡れた体毛もドライヤーで優しくかわかしてくれて、ぴーすけはまたもとどうりふわふわしたかわいい子になりました。きもちよさそうに眠る ぴーすけ。
連れて帰ろうとしてそそくさとぴーすけをハコにおさめようとすると、先生は「ちょっとまってね」と言ってじぶんの事務デスクの上に挿してあったスイートピーの花を一輪取りました。
そして ぴーすけ の鼻先にそっと置いて、ワタシではなく ぴーすけ に向かって「ありがとうございました」と言って深々と頭をさげてくれたのです。
もう何年も前のことですが、たぶん一生忘れることはないでしょう。
ぴーすけが死んだことを受け止めることで、良い歳の大人のクセに知らなかった命の大切さやすごさを知ることができました。
ハムスターは生き物で、心を持ち、ちゃんと痛みを感じ、ちゃんと歳を取り、ちゃんと病気をして、やがて自分より早く死んで行く。ペット飼育をインテリアのようにとらえてぼんやりと飼い始め、楽しいことしか考えず、生死という当たり前のことから目を背けようとし、小さな命がこんなに重いとは思っていなかった愚かな大人にそれを教えてくれた。
ぴーすけ がいなかったら、今のワタシは無いかもしれないです。
ぴーすけの死因は子宮系からではなく多発性骨髄腫というおそらく稀な病気でした。ハムスターではほとんど聞かない病気です。飼われているハムスターたちに潜在的に良くある病気かどうかはわかりません。
死因だと思われた子宮の病気は、投薬でうまくコントロールできていたのがわかったことがわかりました。もし解剖しなけれな、死因は下血としてはっきり症状の出ていた生殖器関係と思っていたでしょう。
姉妹のぶぶはその一ヶ月後、痙攣をおこしながらのたうちまわり、最後は力尽きて昏睡し、やがて静かに旅立ちました。
死因はおそらく肝不全、痙攣は肝性脳症からということでした。肝臓の機能の低下で高アンモニア血症になり、脳の神経がマヒして痙攣発作のおきる病気だそうです。おそらく、というのは、この子はサンプルを検査にはださなかったから、見た目のことから判断した結果です。
解剖しうっ血した肝臓の状態を目の当たりにして、その病気であることを知ることができました。
ぶぶ の病気の発見が遅れたのは、ひとえに病弱な ぴーすけ にかまけっぱなしだった自分にありました。発見できたとしてもどうにもできないのがハムスターの医療の現状ですが、その時「同時に複数の子を飼うのは覚悟がいるんだ」と感じました。
解剖を経験してきて思ったのは、じつはネズミの病気は飼育書にあるだけの単純なモノではないんだなってことです。飼育書やネットで受けた情報の中の症状に似ていて、だからコレだろうと、看護はコレだと、素人判断するのは良くないと思ったです。
特にハムスターの一生の半分は病気との付き合いといっても過言ではないから、情報を集めて創意工夫は必要だけど、獣医師の診断を受けながら一緒に考えるべきなのかも。
ぴーすけ や ぶぶ がワタシに教えてくれたことは、いまでもあの淡いピンク色した一輪のスイートピーと一緒に、ほんとうに大きな宝物として心の中に存在していて、これからもずっと消えることはないです。
後日追記(2007.01)
この雑記を書いてからずいぶんまた時間がたっています。
今思うと恥ずかしい文章ですね(^-^;)。
ぴーすけの解剖のことについての詳細を別にアップしています。
ジャンガリアン:子宮蓄膿、多発生骨髄腫 (長文&苦手な方は御注意)
解剖はその子が亡くなった原因を知る為にはいちばん確実な方法だと思ってます。
もちろん解剖もどこまでやるかによって精度は変わってくるので、一概には言えないんですが。
「うちの子はなぜ何故亡くなったか」とよくあちこちのコミュニティで質問が出て来ますが、生前に病気が出ていたとしても、死因については本当のところは分からないことが多いんじゃないかと思えます。
死亡の原因になることは症状に出ていないまったく予想もしていなかった病気であることも多い気がするんです。
後に飼ったジャンガリアンの、エマ(♀)は心臓肥大の治療を続けていて、無くなる直前にお腹が腫れてきたのを、飼い主は腹水であると思い込んでました。でも解剖したらそれは水では無く腸が空気を含んで風船状になって腫れていたのです。心臓と呼吸の苦しさで過呼吸によるものではないかと。腸が腫れたことで内臓を圧迫して、肺が苦しくなり、呼吸不全か心不全。見た目からの推測ですが。過呼吸の元々の原因はそこにあるのですが、こういう結果をもたらすことなど、ネット上のどこにもありませんでした。
どこで思ったか、自分は「心臓」「肺」関係は「最後は腹水」だと思い込んでいて、それは処置が出来ないというところまで思い込んでいたのです。
自分の目でしっかり確かめもせずに、インターネットで仕入れた同じような症状からその結果を、自分で勝手に描いていたのです。
この話については別ページハムスターの心臓肥大と呼吸困難(長文&苦手な方は御注意)に詳しく書いてます。
生き物はマニュアルの通りには生きていない、病気は思い込みで素人判断するものではない、同時にしてきた治療や介護が正解であったかそうでなかったかも教えてくれました。
思い込みで病気を括ってしまっていると、まったく的場ずれな栄養やサプリを与えることにも
なります。思い込みでアレコレ与えていたエサやサプリメントなどの過剰摂取による別の病気を引き起こす可能性もある。そういうことも解剖が教えてくれました。
でも、この文章は解剖を奨励するものではありません。
それはそれをすることで、ペットに対してトラウマが残ることもあるからです。
ペットに対する心の有り所を自分でよく自覚していればいいのですが。
ワタシのしてきた解剖は飼い主の自分のペットに対するエゴです。
愛玩そのものが飼い主のエゴであるなら、解剖もまたしかりと思ってます。
飼い主自身がそれから何かを得ることで、大好きだったハムスターたちの
最後のメッセージを受け取ったと、そう思っています。
ワタシにっとて、その子を愛するということは、そういうことだったようです。