はみ雑記 ---Category.1 どうぶつ関係 3「アブラコウモリ」
コウモリを釣る.......上野動物園「セミとコウモリの観察会」より
動物園で保護されたアブラコウモリ
▲動物園で保護されている
アブラコウモリ
釣った訳ではありませんよ(^^;)
力つきて保護された子です。
 東京都台東区上野にある、上野動物園「セミとコウモリの観察会」(主催:東京都動物園協会)へ参加してまいりました。

セミとコウモリ・・・何の関係が、と思うんだけど「夏」と「夜」そして「夏休みの観察日記のネタ」(^^;)というあたりがキーワードのようでした。閉園後の午後5時半集合のこの観察会は、一般のお客さんの出払った夜の動物園内で怪しく(笑)も行われます。セミも、もちろんしっかり観察しました。が、やはりワタシのツボだったのはコウモリのお話でした。

都会でもコウモリが飛んでいるのを夕暮れに良く見かけると思いますが、今回観察したのは日本の都会でも見られるアブラコウモリです。
小さな蚊などを餌にする彼等は、夕暮れとともに住処にしている場所を飛び立って餌を探しにいきます。
上野動物園の中で、じつは「ふれあいコーナー」にある動物園事務所建物にもアブラコウモリが住んでいます。蚊や小さな虫が主食であり、水も非常に良く飲む彼等にとって、上野動物公園の西の不忍池(しのばすのいけ)は採餌場で、夕方日没になるとそこから飛び出してゴハンタイムなのだそうです。(今回、出てくる様は見ることができませんでした。)

ツボにハマったのはコウモリ釣りの実験です。
釣る、なんて動物虐待みたいですけれど(^^;)、ちがいますよ。
コウモリが超音波を発して色々なものの形をとらえているのは御存じですよね。その構造を利用してコウモリたちを誘き寄せるんです。
釣り竿の先に、釣りで言うとルアーの毛針の針がないような虫のダミーを括り付けて、その竿を不忍池のほうに伸ばしてユラユラとさせていると、彼等は遠くから「お?あれは虫だな?」とやってきます。そして発している超音波を人間の聴くことのできる音に換えるバット・ディテクター(Field Goosのページにあります)と呼ばれる機械を利用して、その超音波がダミー餌に対してどんなふうに発せられているかを耳で聴いて観察するんです


▲こんな感じ(^^;)

コウモリがそんなモノだまされるの?と思っていましたが、これが本当に吸い寄せられてくるんですよ(笑)。

目の悪い彼等は、すぐ側まで来て「何か違うぞ!」と分るまでその虫のダミーをハタハタと追いかけます。
それが楽しいのなんのって(笑)

遠くにアブラコウモリの姿を確認出来ると、ディテクターからちいさく「カタカタ....」という音が。
かなり遠くから目標物に向かって音波を発しているのがわかります。近付いてくるにつれて音は大きくなり、ダミーの周りをクルクル飛び交う時は「カタカタカタカタ....」と非常に早い間隔で音波が発せられていました。かなりな衝撃の波動に感じます。
感心したのは飼育員さんがその釣竿を操るのがじつに上手いことです(笑)。
一般人の私達にも竿を操らせてもらいましたが、確かに吸い寄せられてきますけれどすぐに「ちぇっ!ニセモノじゃん」と言わんばかりに「ぷいっ」と遠くへいってしまいます(; ;)。
ところが飼育員さんがその微妙な竿さばきでユラユラとさせると、吸い寄せられたコウモリたちは長い間そのダミー虫を追い掛けて右往左往しているのです。それも一匹ではなく二匹いっぺんの時もありました。尊敬です!うらやましい...(爆)。
飼育員さんは「コウモリは『やっぱほ乳類だな』と思わせるところがあって、こうしていると学習してすぐに近寄って来なくなるんですよ。頭いいんですよ。」とおっしゃってました。

暗闇の観察でしたが、目が慣れてくるとコウモリが飛び交うのが良く見えてきました。
実験の後、一人で不忍池の柵から手を伸ばしてペンを振ってみました。
ワタシは虫だ、たべてちょ〜〜〜(怪)。
するとしばらくしてなんと一匹のアブラコウモリが不審気にハタハタと近寄ってきました。きっと「なんだ、ありゃ?」と近寄ってきたのかもしれませんが、「ああ、超音波をワタシに発しているのね!」と少し嬉しかったです(笑)。すぐに「ぷいっ」と消えちゃったけどね(笑)。

そうそう、アブラコウモリの体重はなんと7グラムほど。
一円玉7まいですよ、奥さん!(笑)...いや、小さいんですね、本当に。
保護された子を間近で見ることもできましたが、とてもかわいいです(^-^)。
こんなにかわいい生き物が無気味なイメージを持っているのはもったない(笑)。
身体が小さいうえに飛ぶという特性もあって、エネルギーの消費を押さえる為に夏でも昼間は休眠する彼等は、沢山の餌を食べないといけません。
食餌にしている虫も一日に体重の半分(!)の量(蚊にして500匹分)必要になるそうです。もしアブラコウモリがいなかったら、都会にはいったいどれだけの蚊があふれることでしょう(^^;)。
彼等は目立たないけれど生態系のバランスを保つために、さまざまな重要な役割も背負っているのだそう(^-^)。
今回は夜間の観察会だったので、あまり写真がなくてごめんなさい。
夏は活動が盛んなシーズンだそうで、皆さんもぜひ日没時に空を見上げてアブラコウモリを探してみてください。
水辺がいいポイントだけれど、そういうとこには強烈な蚊がいますので、蚊には御注意を...。>被害者の弁(笑)

参考:「セミとコウモリの観察会」の上野動物園飼育員さまの解説と配付パンフレット/(主催:東京都動物園協会):ありがとうございました。

文章中リンク先HP
●アブラコウモリ・・・自然環境教育センターHP内/こうもりのページ
           http://www.nara-edu.ac.jp/EcNE/bat/index.htm
●バット・ディテクター・・・ナチュラリストクラブ/オンラインショッピング
             http://www.museum-japan.com/nc/

2004. 8. 03 UP

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